エディブルフラワーをディスってしまったのでルドゥーテの≪バラ図譜≫で弁解する話
こんにちは、ゆきびっちです。
最近自撮りをする機会がないため、昔の写真を引っ張り出すという狡い技を駆使しています。
ちなみにこちらはメキシコの博物館で遊び疲れて力尽きたときの写真。
タイトルの通りの内容なのですが、その前にエディブルフラワーで思い出したとある画家のことを紹介させてください。
≪バラの画家 ルドゥーテ≫
《ロサ・ケンティフォリア》『バラ図譜』より
お花の画家といったらこの人、ピエール=ジョセフ・ルドゥーテという、
フランス革命の動乱期にマリーアントワネットやナポレオン皇后の庇護をうけてバラを描き狂った画家です。
ルドゥーテが直筆で描いたものは火事で焼失してしまい、現存しているのは銅版画で刷られたものになります。
銅版画とは画家が描いた原画を元に銅板を彫り、彫って窪んだところにインクを乗せて刷りあげる版画になります。
版画というと、日本では葛飾北斎の富嶽三十六景が有名ですが、ルドゥーテの何がすごいって、やっぱりその作品の緻密さにあります。
≪ルドゥーテの銅版画の緻密さ≫
こちらはとある作品のアップしたものですが、よく見てみると葉や花びらのところが細かく点々になっていることが分かります。
ルドゥーテは銅板に線状ではなく、点状に彫ることで微妙な植物の質感や色の変化をリアルに再現しました。
生で見ると笑ってしまうくらいに点が細かくって、何で銅版画なんかに・・・と思ったのですが。
ルドゥーテは植物学的知識を活かして、植物図鑑の挿絵をも制作していたため、図鑑を印刷するために作品を銅板画にする必要がありました。
≪植物学的に見ても緻密な作品≫
当時も今も園芸家の方々の参考資料になっているルドゥーテの作品。
ですが彼がバラを描き狂うことができたのは、ナポレオン皇后のジョセフィーヌの庇護のおかげでした。
彼女はバラの愛好家で、戦争中だろうと敵国とバラの情報を交換したり、バラの原種を彼女の庭園に集めたりしていたため、ヨーロッパ中のバラをルドゥーテは自由に見ることができたのです。
ルドゥーテ独自の観察力で、そのバラたちの一種一種の個性を緻密に描きあげて残したため、歴史的にも植物学的にも彼の作品は貴重な資料として重宝されることとなりました。
ちなみにジョセフィーヌ皇后が亡くなった後、彼女のコレクションを元にバラの品種改良が進み、今現代私たちが鑑賞用として親しんでいるバラ、いわゆるモダンローズが生まれたのです。
(反対にルドゥーテが鑑賞していたのは、古代種=オールドローズと呼ばれるもので、女性の化粧品によく使われるダマスク・ローズもその一つです)
そしてバラはその豊かな香りで世界中の女性に愛され、化粧品の他、食べもの、また飲み物にも利用されました。
そういえば昔IKKOさんがバラの精油の入ったカプセルを毎日飲んでいて、ローズの香りを全身から漂わせていたという話を聞きました…。女子力で負けるとは!!
IKKOさんが飲んでいたのがこれかどうかはわかりませんが。参考までに。
バラもエディブルフラワーの一種ですが、最近多くの食用花が注目されています。
前回のブログで、私が調理?を失敗してしまったために、エディブルフラワーの魅力について語れなかったので!
今回はそれをカバーできるような内容を書ければと思います。
普段ひけらかさない私の女子力を見られると思いますよ、たぶん。
≪エディブルフラワーとは≫
エディブルフラワーは食べることを目的に栽培されているため、農薬なども使用していないことがほとんどです。
ただ、一般に流通している鑑賞用の花の中には毒素が入っていたり身体に有害なものもあるため、ちゃんと食用として販売しているものを選んでくださいね。
どうやらバラ以外にも多くの品種があって、バランスよく多くの栄養素が入っていることから最近注目されているらしいですよ。
味は無味か、お花によっては若干の甘味や苦みを感じます。
私は青臭さしか感じませんでした。(ディスってはいません)
ちなみにエディブルフラワーを食べる際、ちゃんと下ごしらえが必要になります。
ちゃんとお水、もしくは薄い塩水でさっと洗います。
ざるやペーパータオルなので水気をきります。
そしてお花のガクや花の芯などを取っていきます。
ちなみに私は究極のびびりなので「食べたくないな」と思うところは全て取っていきました。
しかしお花は私のように繊細にできているので、ちょっと力を入れるとこうなります。
分解。
何回かこうなって泣きそうになりました。
そして色と花種に分別してみました。
ここから大失敗した≪モネ・サラダ≫の制作に入ります。
もう前回すっぴんをさらしたので掲載するのも怖くない、作業時のありのままの姿。
正真正銘の自撮りです。
こんなことを休日の昼間に一人でやっていました。寂しかった・・・。
ちなみにちゃんとしたエディブルフラワーの使用例だとこんな感じ。
≪モネ・サラダ≫で残ったベビーリーフの上にエディブルフラワーを乗せただけ。
素敵や――――ん!!!!
女子力高いーーーー 全国の素敵男子からの求婚がとまらないーーーー
他にも適当にハーブティを混ぜたパウンドケーキの上に、クリームチーズとエディブルフラワーを乗せてデコレーション。
女子会とかでもカリスマOLって友達から崇められちゃうかも。
※一切女子会などという素敵な会の予定がなかったため、全部一人で食べきりました。
甘いのは好きですが、ホールサイズは結構きつかった。
あとは製氷機の中に水と花を押し込んでできたアイスフラワー。
こんなんでアイスハーブティーとか作ったら、どこぞやのセレブと勘違いされるわ
・・・
はい
そんなこんなで¥5000の元をとれるくらいまで遊び尽くしました。
ちなみに裏話。
何故≪モネ・サラダ≫を冷凍したのかという話ですが、こんな事情が。
実はエディブルフラワーで飾り付けをしていたところ、花びらのところを動くミクロな物体を発見。
アブラムシにも満たない小さな虫さんがいらっしゃいました。
オーガニック野菜あるあるなんですが、庶民の私はそんなことなんてつゆ知らず。
そしてアリにもびびって泣きそうになるくらいに虫嫌いの私は、一人、部屋で戦慄し。
さきほどエディブルフラワーを飾っていたサラダのベビーリーフ(その日の夕食用)をひっくり返して、一枚一枚検品。
しかしさすがに≪モネ・サラダ≫は、あんなひどい出来でも一応計算して花びらを置いていたので、全部ひっくりかえして虫の在不在を確かめるわけにもいかず。
でも想像すればするほど自分の体内に虫が入ることが嫌になり
凍らせてみました。
零下の世界で死に絶えろといわんばかりに。
そしてできたのが、前回の≪モネのお浸し≫です。
ちゃんと塩水で洗えばよかったと本気で反省。
もちろん、ちびっちゃい虫さんなので、そのまま食べても体内の消化液で死に絶えるんだろうけど。ちょっと私には無理でした。栽培してくださった農家の方々ごめんなさい。
皆さん私の天井知らずの女子力の高さを痛感して頂けましたでしょうか。
ちなみに美味しいエディブルフラワーはきちんとしたお店でお楽しみ頂けます。
女性の方には、ルドゥーテの≪バラ図譜≫のように目からの癒しを受けられる以外にも体内から美を作り出すことができますよ。
是非是非皆様トライしてみてください。
冒頭の写真のその後、本気寝中。
ちなみに私はコースの値段にびびって三日三晩悩み苦しんだ後、
癒しと美については諦めました。
それでは皆さんよい週末を。