暇なアラサーが伝授する美術展の周り方~プロ初心者編~
皆さんどのように美術展を周られていますか?
先日、テレビでも特番になったルーヴル美術館展に行ってきました!
ので、レポートがてら個人的におすすめな周り方をご紹介したいと思います。
大体国内の企画展を周るのであれば、所要時間はゆっくり周って2時間くらいです。
それ以上遅くても疲れちゃうし、早くてもしっかり見られないしというのが私の持論!
今回見てきたのは、国立新美術館で開催されている「ルーヴル美術館展」。
チケット購入後、受付に直行となりますが・・・ちょっとストップ。
ネットで事前に企画展の内容を調べていればスルーしていいのですが、個人的には総合案内所や美術館の入り口のところに置いてあるペラのパンフレット?を取るのをおすすめします。
へたくそな写真ですみません笑
というのも、ここに美術展の目玉が掲載されているからです。
待望の初来日と書かれています。
そして裏表紙には以前キリコの記事でふれたティッツィアーノの<鏡の前の女>。
中には有名なレンブラントも出ていますが、私もはて?となるような画家の作品が掲載されています。
正直もしかしたらこのパンフレットを見ていなければスルーしていたかもしれない笑
こーゆーところでさくっと情報を仕入れるとプロの初心者っぽいです笑
さて、入り口に入って美術展を周るのですが。
その前に。
そもそも今回は何に注目すればいいの?と。
そこで美術展の副テーマに着目してみましょう。
「日常を描く -風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」
なんか受験問題の「はい、ここキーワードだから赤線ね」ではないんですが。
ここに書かれている「風俗画」がそれになります。
ルーヴル美術館に所蔵されている作品は時代、流派、地域が多岐に渡っていますが、今回は特に見やすい「風俗画」がフィーチャーされています。
でも「風俗画」ってなんぞやと。
パンフレットから引用すると「人々の日常生活の情景を描いた絵画」となります。
絵画には宗教画、人物画、歴史画など様々ですが(いくつかこのジャンルも混在して出展されていましたが)、言葉の通り、その時代、もしくは前の時代の一般の人々の日常が描かれ、その当時の様子を知ることができるんです。
ただ、風俗画は単に人々の様子を写実的に描いているだけではなく、ちょっとした道徳的、もしくは教訓的な意味がモチーフに込められていることも。
なので、時代背景だの、この時代はバロックだのなんだのと、予備知識的な難しいことは考えずにその画面に描かれた情報を読み取って、空想にふけられる楽しさを満喫できます。
ただ、いきなり絵画を見せられて「これに何が描いてあるでしょう?」と意地悪な質問されても困ってしまいますよね。
そんなときは、美術展の入り口のチケットを渡した後にあるブースで、音声ガイドを借りましょう。
大体ワンコイン(¥500)ですが、国立新美術館は¥550でした。
深読みしてしまうような値段設定はしないで頂きたい。
こちらですが、ヘッドフォンで機械のボタンを操作すると音声ガイドが流れます。
美術展内の作品の一部に番号が振られていて、その番号のボタンを再生するとその作品の解説を聞くことができます。
もちろん、作品の横に説明書きがついている場合もありますが、音声ガイドだと解説を聞きながら同時に作品を見ることができるので、個人的には視線を何度も行き来させなくていいので楽で好きです笑
あと説明書きには書ききれない、その作品の作家のショートエピソードも入っていたりするので、美術展をふつうに見るよりも何倍も楽しめますよ。
さて、入り口で大分時間を取りましたが笑
これでいよいよ美術展の中身をと思ったんですが、今回は会期中のため一旦ネタバレは後日のブログのネタに取っておいて、
美術展内の歩き方に焦点を当てたいと思います。
美術展内はいくつかパーテーションで区切られており、各ブースにおいてタイトルがつけられ、そのブースの説明書きが大きく書かれています。
それは美術展を企画したキュレーターの方の血と涙の結晶なので是非読んで頂きたいです・・・。
今回の構成はこんな感じ
プロローグI 「すでに、古代において・・・」風俗画の起源
プロローグII 絵画のジャンル
第I章 「労働と日々」―商人、働く人々、農民
第II章 日常生活の寓意―風俗描写を超えて
第III章 雅なる情景―日常生活における恋愛遊戯
第IV章 日常生活における自然―田園的・牧歌的風景と風俗的情景
第V章 室内の女性―日常生活における女性
第VI章 アトリエの芸術家
一冊の本の目次みたいですよね。
鑑賞者が企画展の意図を汲みやすいように、ちゃんと順序立てて盛り上がりどころなどを考えて(かはわからないけれど)、キュレーターの方は構成してくれています。
ちなみに個人的な盛り上がりはやっぱり、クエンティン・マセイスがトップバッターの第I章、レンブラントとフェルメールが登場する第II章でした。
そして風俗画の見方に慣れた頃に、平穏な第III章、そして若干ゴシップ感が漂う第IV・V章と続いたので集中が途切れることなく楽しめましたよ。
さて、実際に鑑賞に入るのですが、もうここまででかなりの情報収取ができています笑
ただ、情報を取り入れながら見るのもいいのですが、(ここまで説明しといてなんですが)予備知識なしに純粋に絵画を見るのもおすすめです。
前のブログで「引っかかり鑑賞法」をおすすめしましたが、名作でも好き嫌いはありますので無理に「うーん、これはよくわかんないけど良い作品だからいいんだろうなあ」って思わなくてもいいと思っています。
一緒にいった友人の言葉が印象的だったのですが、鑑賞者自身の今の精神状態によっても見る点や気になる点が変わってくるかもねと。
ちなみに友人はカラフルで楽し気な絵が好きと言っていましたが、私はかなり同一色でまとまっている暗い絵に惹かれました。嗚呼、私の精神状態笑
「ルーヴル美術館展」は6月1日までやっております♪
ぜひぜひ見に行ってみてくださいね。
案外終了が遠かったので、会期中にネタバレ記事書きます笑
ちなみに今回まじめだったので、最後にやらかしてわかった日本の美術館のいいところもご紹介。
今回、同時開催の「マグリット展」も見に行こうとしたため、同時購入のチケット(若干割引が入る)を購入しました。
そして若干もうお気づきの方もいらっしゃると思いますが、わたくし、「ルーヴル美術館展」内でがっつりチケットを落とし、最後のブースで気付いてかなりパニックに笑
でもちゃんと美術館の総合案内のところに届いていました。
そして名前とか一切照合できるものがないにも関わらず、返却頂きました。素晴らしい!!
もう一回お金払うことを覚悟していたから本当にうれしかった!!
すごいよ!日本の美術館!!
一回アメリカで同じことやって、受付のおばさんとガチ喧嘩をして
“ You are so CRAZY (あんたまじでおかしい)“
と言われブチ切れた記憶があるので(ちなみに今年の2月の話ね)、本当に日本は優しい国だなと実感しました。
教訓:アメリカでは自己管理の徹底を。
それではまた。
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